白血球新薬「キムリア」押さえておくべきポイントをわかりやすく解説。
みなさんこんにちわ、奈良岡です。
今日は白血球新薬「キムリア」について、押さえておいた方がいいところのみピックアップしていこうと思います。
「キムリア」と検索しても素人の方には少しわかりにくい内容ばかりですので、噛み砕いてというか大事なところだけ書いておきます。
詳しく知りたい方は検索すればいくらでも出てきますのでそっちで見てねw
目次
白血病とは?
一言でいうと、「血液のガン」です。
罹患者数は少ないですが、子供のガンの中では1番多いです。そして、20代から40代までの人はなんと病気による死亡原因の1位が白血病との事です。
キムリアとは
キムリアはスイス製薬大手ノバルティスが開発した「CAR-T細胞療法」と呼ばれる新たながん治療法の薬です。
「CAR-T細胞療法」とは、患者から採取した免疫細胞の遺伝子を改変してがんへの攻撃力を高めるというもの。国内初の治療法である。
キムリアの価格について
日本ではキムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示し、承認されました。
2019年5月22日から保険適用。
公的医療保険は患者の窓口負担が現役世代で3割。これに加え医療費の負担が重くなりすぎないよう1カ月あたりの自己負担の上限を定めた高額療養費制度が適応されます。
年収が約500万円の人がキムリアを使った場合、40万円程度の負担で済むということです。
米国では約5200万円の価格がついています。
理由は、米国では効き目に応じて患者から支払いを受ける成功報酬型が採用されているからだそうです。
日本では効果の有無に関係なく保険適用されるため、薬価を抑えることができたようです。
治療対象
血液がんの「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」の25歳以下の患者と「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」の患者で、抗がん剤が効かなかった人などに限定。高熱や低血圧など副作用が起きる可能性があり、治療は副作用に対応できる病院のみ。日本人も参加した治験は、白血病で約8割、リンパ腫で約5割の患者が大幅に症状が改善したとの事。
治療の流れ
まず、国内の病院で3~4時間かけて患者から白血球をとる。院内の細胞処理施設で「T細胞」を分離して凍結保存し、米ニュージャージー州にあるノバ社の施設に送る。そこで、T細胞にがん細胞を攻撃するよう遺伝子操作をしてキムリアを製造。日本の病院に送ってもらい、白血球をとりだした患者の体内に点滴で入れる。点滴は30分弱で終わる。期間は約2カ月かかるという。
予想される副作用
血球減少/低ガンマグロブリン血症/感染症
キムリアの治療後に、白血球、好中球、リンパ球など 病原体から体を守る免疫細胞や、血小板、赤血球などの血球成分が減少し、その状態がキムリアの投与後4週間以内に回復しないことがあります。また、正常なB細胞が持続的に不足した状態になったり、免疫グロブリンという免疫にかかわるたんぱく質がうまく作れなくなり、低または無ガンマグロブリン血症があらわれることがあります。血球減少や低または無ガンマグロブリン血症が起こると免疫力が低下し、さまざまな感染症 にかかりやすくなります。これを防ぐために、免疫グロブリンの補充投与を行う ことがあります。キムリアの投与1年以上経っても感染症にかかりやすい状態が 続くことがあります。免疫力の回復状況について定期的に主治医に確認し、回復が 不十分なうちは下記の生活上の注意点を参考に、感染予防を心がけてください。また、キムリアは万全の注意を払って製造されていますが、生物由来の原材料を 使用しているため、これが原因となる感染症があらわれる可能性があります。
主な症状
ウイルスや細菌、真しん 菌きん(カビ)などの病原体に感染しやすくなり、発熱、嘔吐、 せき たん けつ にょう
下痢、咳や痰、発疹、腹痛、血尿など感染する体の部位によりさまざまな症状が あらわれます。また、青あざや手足に点状の出血があらわれたり、鼻血や歯ぐき から出血して血が止まりにくくなったりします。このほか、貧血により顔色が悪い、 疲れやすい、頭が重い、動悸、息切れなどの症状があらわれることがあります。
腫瘍崩壊症候群
キムリアの治療後に、腫瘍崩壊症候群があらわれることがあります。これは、治療後に腫瘍が急速に死滅し、壊れた腫瘍細胞の成分が血液中に放出され、 体内の尿酸値があがったり、カリウムやリン、カルシウムなどの電解質のバランスが大きく崩れる、血液が酸性になる、腎臓からの尿の産生が減少するといった異常を示す状態です。
主な症状
尿の減少、むくみ、呼吸困難、頭痛、痙攣、意識障害、吐き気、不整脈などが起こる事があります。
脳浮腫
CAR-T療法中に、脳浮腫があらわれたことが報告されています。脳浮腫は、脳の中に以上に水分が溜まることで脳が膨張する状態で、頭痛、吐き気や嘔吐、意識障害や手足の麻痺、話すことが難しくなるなどの症状があらわれます。
二次性悪性腫瘍
理論上、遺伝子導入された細胞は、体内の細胞増殖を監視するしくみから逃れて、異常に増殖する可能性があります。そのため、キムリアの投与後にも新たなガンがあらわれる可能性が考えられます。
新たな血液の病気
悪性リンパ腫にたいする抗がん剤の影響によって、後に骨髄異形成症候群などがよく発生することはよく知られていますが、理論上、キムリアの投与後に免疫環境が変化し、再生不良性貧血、骨髄機能不全などの新たな血液の病気があらわれる可能性が考えられています。
最後に
水泳の池江璃花子さんが発症を発表したことで注目を浴びている白血病。
新薬キムリアの登場で1人でも多くの白血病患者が助かる事を心よりお祈りしております。
今日は以上。