認知症の診断・治療について
みなさんこんにちわ、奈良岡です。
今日は早期発見、早期受診・診断、早期治療が大事なわけについてまとめていきます。
認知症の早期の発見、早期の受診・診断、早期治療は、その後の認知症の方の生活を左右する非常に重要なことです。
認知症はどうせ治らないから医療機関にかかっても仕方がないという誤った考え方は改めましょう。
初期は専門の医療機関の受診が不可欠です。
認知症の診断は初期ほど難しく、熟練した技術と高度な検査機器を要する検査が必要となります。専門の医療機関への受診が不可欠です。
受診の内容
・CT
・MRI
・脳血流検査
などの画像検査、記憶・知能などに関する心理検査に加え、認知症のような症状を引き起こす身体の病気ではないことを確認する検査を行います。
早い時期に受診することのメリット
→病気が理解出来る時点で受診し、少しずつ理解を深めていけば生活上の障害を軽減でき、その後のトラブルを減らす事も可能です。
→障害の軽いうちに障害が重くなったときの後見人を決めておく(任意後見人制度)等の準備をしておけば、認知症であっても自分が願う生き方を全うする事は可能です。
治る病気や一時的な症状の場合もあります。
認知症のような症状が出ても、治る病気や一時的な症状の場合もありますが、長期間放置すると、回復が不可能になります。
正常圧水頭症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫
→脳外科的処置で劇的によくなる場合があります。
甲状腺ホルモン異常
→内科的治療でよくなります。
不適切な薬の治療
→薬をやめたり薬の調整で回復します。
認知症の治療
早期ほど、薬で進行を遅らせることができます。初期から使いはじめると健康な時間を長くすることも可能になります。
*塩酸ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなどの薬が広く使用されていますが、効果には大きな個人差があります。脳の細胞が死んだいくスピードを止めたりする作用はなく、根本的な治療薬ではありません。
脳血管性認知症
治療は可能です。薬や身体活動を高めるリハビリテーション、脳梗塞など、脳血管性認知症の原因となる病気の再発防止などにより、進行を止める可能性が高くなります。
*夏の脳梗塞についてはこちら
夏は脳梗塞に注意!?しっかりと予防しましょう。 - Nara BLOG
行動・心理症状には原因や状況に応じた療法を
中核症状以外の幻覚、妄想、うつなどの症状や失禁などの行動上の問題
→原因や状況に応じて、薬物療法や心理療法、環境の調整、周囲の人の理解など、対応方法の工夫をします。
*中核症状についてはこちらをどうぞ
認知症の3つの症状-中核症状について - Nara BLOG
行動・心理症状とは
1.脳の細胞が壊れたこと(器質因子)
2.持って生まれた素質(素質因子)
3.心理的環境的要因(社会心理的因子)が複合的に関与して起こります。
→正しい見立てで、起きている症状よ原因を推定し、支援・治療方針を決め、現実的な対応をすることが重要です。
*行動・心理症状についてはこちら
認知症の行動・心理症状とその支援について。 - Nara BLOG
今後の見通しを立て、備えることが必要です。
認知症の経過
認知症の経過は個人差が大きく、進行が遅い人や進行が止まってしまう人もいます。進行すると、身体機能の低下がおこり、数年から十数年の経過で歩行ができなくなり寝たきりになります。最終的には食べ物を飲み込むことができなくなり、肺炎を繰り返すようになります。
軽症のうちから専門家との信頼関係を築く
週末医療や介護の方針については、家族や後見人などに任せなければなりません。認知症が進行したのちの見通しを立て、自分の意思にかなった生活を送るためには、日頃から周囲の人に自分の生き方、考え方を理解してもらうよう心がけることが重要です。
まとめ
「認知症って種類によっては治療出来るんだ。」と思った方多かったのではないでしょうか。
認知症になったから終わりではありませんので、しっかりと早期に医療機関にかかるようにしましょうね。
今日は以上。