これから流行する夏風邪とは?通常の風邪との違い、ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱等解説
みなさんこんにちは、奈良岡です。
今日は今からの季節要注意しなければいけない夏風邪について、まとめていきたいと思います。
風邪症候群とは
見出しに風邪症候群と書きましたが、風邪の正式名称です。
主として上気道すなわち鼻腔・咽頭・喉頭に起こる感染症で、原因のほとんどは各種のウィルスによるものです。
症状としては、鼻汁・鼻閉・咽頭痛・嗄声(声枯れ)・咳嗽・喀痰などの 呼吸器症状の他に、発熱・頭痛・全身倦怠感(だるさ)・食欲不振などの全身症状など、これら全てまたはいくつかの症状を呈するもので、検査をしても顕著な異常はなく、多くは1週間程で自らの免疫力により治ります。
原因となるウィルスとしては、鼻かぜなど軽い症状のライノウィルスが成人では多く、その他、コロナウィルス(新型肺炎SARS重症急性呼吸器症候群ウィルスもこの一種)、パラインフルエンザウィルス、インフルエンザウィルス、アデノウィルス等が主たるものです。
普通の風邪と夏風邪の違い
結論からいうと、通常の風邪とウイルスの種類が異なります。
冬はライノウイルスやインフルエンザウイルスをはじめ、寒くて乾燥した空気を好むウイルスが流行する傾向がありますが、
夏風邪の原因となるウイルスは、エンテロウイルス属のエコーウイルス、コクサッキーウイルスやアデノウイルスなどの高温高湿を好むウイルスが流行します。 5 月中旬から 8 月末の期間は、この夏風邪のウイルスが繁殖しやすいため注意が必要です。
夏風邪症状は、高温・喉の痛み・せき・嘔吐・下痢・目やに・湿疹などがあり、中にはヘルパンギーナ・手足口病・プール熱などを発症する場合もあります。
冬の風邪に比べ治りにくく、たいしたことない風邪が長引き、悪化し入院にまで繋がるケースもあります。
ヘルパンギーナとは?
6月から初夏にかけて流行し、乳幼児に多く見られる夏風邪の代表的なウイルス性の感染症。主に「コクサッキーウイルスA群」が原因で、ウイルスの型がいくつかあるので、何度もかかってしまうことも珍しくありません。まれに大人も発症します。
潜伏期間は、3〜6日間。
症状は39℃以上の熱が1〜3日つづくと同時に、のどが赤く腫れて小さな水疱がたくさんできます。水疱は2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になります。
のどの痛みが強いために、食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすこともあります。
手足口病とは?
主に夏季に流行し、7月にピークを迎えるウイルス性の感染症。原因ウイルスは「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」で、複数の種類があるので何度もかかる可能性も。患者のほとんどは小児で、5歳未満の小児が80%を占めますが、まれに大人にも感染します。
潜伏期間は、3〜6日。
口の中の粘膜や手のひら、足の裏、足の甲などに水疱性の発疹が現れて、1〜3日間発熱することがあります。水疱は、かさぶたにならずに治る場合が多く、1週間程度でなくなります。また、1〜2ヶ月後に手足の爪がはがれることがありますが、大事にはいたらずすぐに新しい爪が生えてきます。
ですが、口の中にできた水疱がつぶれた後にできる口内炎(口の中にできた潰瘍)がひどく、食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすことも。 また、原因ウイルスの「エンテロウイルス」は無菌性髄膜炎の90%を占めるため、まれに脳炎を伴って重症化することもあるので注意が必要です。
プール熱とは?
咽頭結膜熱(プール熱)は、「アデノウイルス」が原因で、プールの水を介してヒトからヒトへ流行が拡大することが多いので、プール熱とも呼ばれています。
年間を通して発生しますが、主に6月末頃から夏季にかけて流行します。
潜伏期間は、2〜14日。
咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、39℃前後の発熱が数日から1週間続く症状から、「咽頭結膜熱」と呼ばれています。 頭痛をはじめ、食欲不振が3〜7日続くこともあり、眼の症状としては、目が充血し、涙が多くなり、まぶしがることがあります。
予防と対策
エアコンは適度に使用
室内でのエアコンで冷えた環境ばかりにいると、外気温の気温変動に体がついていけず 体調を崩しやすくなります。自律神経の乱れや免疫力低下に繋がります。エアコンの設定は28度程度にし、それでも暑い様なら扇風機を併用して、室温を低くしすぎないよう気をつけましょう。
クーラー病(冷房病)と意外と怖い低体温症の話 - Nara BLOG クーラー病について詳しくはこちら
食事で免疫アップ
ウイルスを退治してくれるのは、免疫力(主にリンパ球)です。
免疫力がしっかり働くよう、栄養と休養をとることが必要不可欠。バランスの良い食事は大切ですが、夏風邪には特に、クエン酸・ビタミンB群を摂ることがポイント。疲労回復や夏バテ予防の効果も期待できます。夏の土用の丑の日に食べられる鰻はビタミン B が豊富。クエン酸は梅干しやグレープフルーツ等、酸っぱい食べ物に含まれています。暑さで食欲が低下しやすい季節ですが、工夫して栄養バランスを整えましょう。
感染を防ぐ
飛沫感染、接触感染を防ぐためには、冬同様うがいと手洗いが基本です。水泳の前後には必ずシャワー、洗眼を。タオルの共用は避けましょう。
もし感染したら、症状は数日~1週間で自然治癒しますが、ウイルスはしばらく便などの排泄物、家具の表面などに残っているので、要注意です。
まとめ
しっかり理解出来たでしょうか?
所詮風邪でしょ?と思っているあなたに、最後に1番重要な事をお伝えしておきますね。
それは、夏風邪の原因となるウイルスを退治する有効な薬は実はないという事。
できることと言えば、安静を保ち、栄養と水分を十分に補給して免疫力を高め、ウイルスが排除されるのを待つことだけなんです。
あるアンケートでは、82%の人はこの事を知らないという結果が出ています。無知とは本当に恐ろしいですねぇ。
治す薬がないならやる事は1つ。ならない為に予防するしかありませんよね。今日からしっかり予防していきましょう。
今日は以上。