Nara BLOG

病気の知識、対策、予防法等書いています。基本的に難しい内容を噛み砕いてわかりやすく要約した内容になっています。

実は危険!?腰痛に隠れた重大な病気

みなさんこんにちわ、奈良岡です。

 

今日は、腰痛の種類と原因、別の疾病との関連性についてまとめていきます。

f:id:naratsune:20190603213106j:image

腰痛持ちのみなさん、自分の症状と照らし合わせて

症状にあった対処法を実践しましょう。

「色々やってるけど、なかなか症状が改善しない」という方は、やり方が間違っているのかも?

 

 

 

 

 

 

腰痛の種類

 

椎間板ヘルニア

f:id:naratsune:20190603213240p:image

症状

ぎっくり腰のように、腰に突然激しい痛みが起こる場合と、徐々に痛みが強くなる場合があります。また、ぎっくり腰を数年前から何度も繰り返しているうちに、腰椎椎間板ヘルニアに移行するケースもあります。

腰痛に加えて下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛)が生じます。体を動かすと痛みが強くなるため、しだいにいすなどに座っていることが多くなります。

 

 

原因

椎間板は背骨を構成する椎骨の間にある軟骨で、椎骨にかかる衝撃を吸収する役割を果たしています。

この椎間板の周辺部分(線維輪)の亀裂から、椎間板の中心部分(髄核)が飛び出して、腰髄の神経根を圧迫して痛みが生じるものです。

多くは、4番目と5番目の腰椎の間の椎間板か、5番目の腰椎と仙骨の間に起こります。

 

 

治療

椎間板ヘルニアの基本治療法は、保存療法です。

まずは安静にして、傷付いた神経に不必要な負担を掛けないよう、脊椎可動域を制限し、無理のない姿勢で過ごしましょう。

その後、薬物療法理学療法を行い、2週間ほど経過した後も症状に改善がみられず、日常の動きに支障が出る場合には、

神経ブロックという、ステロイド薬・局所麻酔などを注射し、痛みを緩和する治療にはいります。

数ヶ月経過しても、椎間板ヘルニアの症状が改善しない場合や、症状により日常生活に大きな支障が出る場合には、手術も検討されます。

 

 

 

すべり症・腰椎分離症

f:id:naratsune:20190603213328j:image

症状

慢性的に腰痛や腰のこわばり感があり、下肢の痛みやしびれ(坐骨神経痛)が起こることもあります。とくに、すべり症では腰痛や坐骨神経痛がひんぱんに起こります

 

 

原因

腰椎は、丸い椎体と背中側に突き出た椎弓でできていて、上下のつながりは前方は椎間板で、後方は一対の骨の関節突起で動くしくみになっています。

この関節突起の間に疲労骨折が生じたものを腰椎分離症といいます。骨の成長が著しい小児期に、激しいスポーツをして腰に過度の負荷をかけることが原因と考えられています。

また、腰椎は前に張り出したような弓形をしていて、第4、第5腰椎の下の椎間板は前方に傾いています。そのため、腰椎分離症によって関節突起の制動がきかなくなると徐々に上の腰椎が前にすべり出してきます。これが腰椎すべり症ですが、分離症からすべり症に移行するケースはあまり多くはありません。

 

治療

主に保存療法を行います。

薬物療法で疼痛コントロールを図りますが、痛みが強い場合には神経根ブロックという注射を行うこともできます。

しびれと血流には関係性があると言われており、血行を良くする内服薬でしびれの改善を図ることもあります。

それでも神経症状が強い場合には、脊椎固定術が一般的に行われます。

脊椎固定術は骨を削ることで神経の通り道を広げ、すべりを起こしている背骨のところを金属、または自分の骨を使って固定する手術になります。

 

 

 

脊柱管狭窄症

f:id:naratsune:20190603213439j:image

症状

歩くと腰や臀部、膝から下に痛みを感じます。前かがみの姿勢になってしばらく休むと痛みが軽くなりますが、再び歩き出すと数分で下肢の痛みやしびれが強くなり、また歩けなくなります。

座っているときや寝ているときは、痛みは生じません。

 

 

原因

脊柱管とは、頸椎から仙骨までをつなぐ管で、内部は空洞で脊髄が遠ています。腰部脊柱管には下肢へと神経が別れる脊髄馬尾神経が通っています。

脊柱管が、老化や椎間板ヘルニア、腰椎分離すべり症などで狭くなると、この神経が圧迫されて、いろいろな症状が起こってきます。

 

 

治療

腰部脊柱管狭窄の治療では、まず痛みを抑える薬や血行を良くする薬、筋肉をほぐす薬などを使った薬物療法が行われます
症状によっては、腰の負担を軽くするコルセットを使用します。また、患部を温めて血液の循環を良くしたり、筋肉をほぐしたりすることで痛みを和らげる温熱療法、ストレッチ体操と筋肉増強運動からなる運動療法などが行われることもあります。
神経ブロックという注射療法も効果があります。これらの治療で改善しない場合や、日常生活に支障を来たしている場合は、狭窄の原因となっている骨の変形部などを切除する手術を行うこともあります。

 

 

圧迫骨折

f:id:naratsune:20190603213601p:image

症状

寝返りを打ったときや、起き上がったときに感じる背中の激しい痛み。背中のほか、腰の部分に痛みが及ぶこともあります。

一方で、骨折をしても痛みを感じない患者さんもいます。痛みを感じずそのまま放置すると、さらに脊椎の他の部分も破損する可能性が高くなり、早めの診断と処置が必要といえます

 

 

原因

主な原因は、骨粗しょう症です。

骨粗しょう症は高齢者に多く見られる病気で、骨密度が低くなって骨折を起こしやすくなります。骨がもろくなると、ちょっとした転倒でも背中への衝撃に耐えられず、脊椎がつぶれてしまう原因にもなるのです。

 

 

治療

圧迫骨折の治療では、安静と痛みのコントロールが基本です。

できるだけ安静を保ち、圧迫骨折の部分をコルセットやギプスで固定します。コルセットは患者の体型や背骨のカーブに合わせたものを医療機関で作ってもらうほうがよいでしょう。2~3か月続ければ、圧迫骨折を起こした部分が結合し、痛みも軽くなります。また、圧迫骨折を再び起こさないように、骨粗しょう症の治療を継続して骨を強くすることも重要です。

 

 

坐骨神経痛

f:id:naratsune:20190603213732p:image

症状

坐骨神経が圧迫されるなどの刺激を受けると、腰や腎部(尻)、 太もも、ふくらはぎや足の先などに、鋭く、電気が走ったような痛みや、 ピリビリとしたしびれ、強く張っている感じ、などの症状が生じます。

 

原因

坐骨神経痛は原因がはっきりと特定できる場合、症状のひとつとして扱われます。例えば、後述する「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などの疾患が原因のときは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が病名、坐骨神経痛が症状、ということになります。  
 実際、坐骨神経痛は原因の疾患が比較的見つかりやすいので、病名ではなく症状として扱われることが多いようです。ただ、検査をしても原因が見当たらない場合は、坐骨神経痛が病名となります。

 

 

治療

感染症や腫瘍などが原因でなければ、背骨の関節や椎間板への負荷を少なくすることで予防可能です。

そのためには背骨を支えている筋肉に疲労を溜めず筋肉の柔軟性を保ち、姿勢のバランスが崩れないように、体操・ストレッチを行うことが有効です。姿勢のバランスが崩れたままだと椎間板や関節の異常が起こる可能性があり、それが疾患へ繋がる可能性もあります。

毎日の仕事や生活習慣で体の同じ部分に負担がかかりやすくなっている恐れがあるので、坐骨神経痛の症状が出る前に1日のうちに数回、それが難しければ1日の終わりに1回だけでも体操・ストレッチを行い、一部分への負担が軽減される体づくりをすることが理想的です。

 

 

 

その他の病気との関連性

 

f:id:naratsune:20190603213805j:image

ごくまれに、がんが原因で腰痛が生じていることがあります。腰痛を引き起こす「がん」には、「骨のがん」「がんの骨転移」「すい臓がん」「大腸がん」などがあります。

多くの腰痛は、安静にしていると痛みがないのですが、がんが原因の場合、「安静にしていても痛む」という特徴があります。

 

 

 

尿路結石

f:id:naratsune:20190603213831p:image

尿路結石とは、腎臓でつくられた小さな石が尿管につまってしまうことで起きる病気で、若い男性に多くみられます。左右どちらかの背中~腰に、深夜や早朝に突然、七転八倒するほど強い痛みが出ます。
 坐薬などの強い鎮痛剤を使用しないと痛みが治まらないことも多いですが、いったん治まると何事もなかったように良くなります。

 

人間が経験しうる痛み1位「尿路結石」について。 - Nara BLOG

詳しくはこちらをチェック

 

 

腎盂腎炎

f:id:naratsune:20190603213952p:image

腎盂腎炎とは、腎臓の細菌感染症で、若い女性や高齢の方に多くみられます。 高熱とともに、左右どちらかの背中~腰のドーンと重たいような痛みが出ます。
  血液検査や尿検査にて診断し、軽症であれば抗生物質(細菌の増殖を抑える薬)の内服薬で治療しますが、重症の場合には救急指定病院岡崎市民病院など)へのご紹介を行います。

 

 

急性胃炎・胃十二指腸潰瘍

f:id:naratsune:20190603214030j:image

急性胃炎や胃十二指腸潰瘍の多くは、みぞおち付近に痛みがあらわれますが、病気の生じた場所によっては背中や体の左横(左側腹部)の痛みとなります。痛みは、食事によって変化することが多く、動作や姿勢とは無関係です。食事直後の痛みなら胃の上部の病気、空腹時の痛みなら胃の下部や十二指腸の病気のことが多いです
 まずは胃酸を抑える薬を使用しますが、改善しない場合や日に日に痛みが強くなってくる場合には、胃癌など他の病気の可能性もあるため、詳しい検査をお勧めします。

 

 

急性膵炎

f:id:naratsune:20190603214346j:image

 急性膵炎とは、胆管の病気(胆石など)やお酒の飲みすぎやよって、膵臓に炎症が生じる病気です。油っこい食事の後やたくさんお酒を飲んだ後で、左上腹部や背中に、突き刺すような痛みがあらわれて長時間続きます。仰向けで寝ると痛みが強くなり、膝を抱える姿勢になると軽快するのが特徴です。重症化することがあるため、早期の治療が必要です

 

 

 

 

 

 

まとめ

どうだったでしょうか?腰痛ぐらいと舐めていたら痛い目に合うかもしれませんね。

あまりにも長引く腰痛はほっとたらかしにせずに、すぐに医療機関を受診するようにして下さいね。

 

いつも言っていますが、病気は早期発見・早期治療が1番ですよ。

 

 

f:id:naratsune:20190603214433j:image

 

 

今日は以上。